2019.12.30
この世で一番美味しい食べ物って何?
おはようございます。もうすっかり年の瀬ですね。
皆さんは仕事納めは終わっていますでしょうか?
弊社は12月30日が仕事納めで、年始は1月6日から業務開始します。皆さんのおかげで何とか今年も年を越せました。
本当にありがたいですね。
デザインに自信がない人はデザイナー失格!?
ところで、皆さんは自分の仕事に自信を持っていますか?
こんなことを言うとお客様に失礼かもしれませんが、
私は自分で作ったデザインが素晴らしいと思ったことはありません。
よく自炊で料理も作りますが、自分で作った料理が素晴らしいと思ったこともありません。
単純に腕が良くないというのが原因かもしれませんが、割と第三者には褒めてもらえることが多いと思います。
自分で作った作品に満足できない理由
では何故自分の作った作品に満足できないのか、
福本先生の漫画「天」の中でこんな一幕があります。
主人公は麻雀打ちの「天」
彼が土地の権利書をかけた麻雀の代打ちで相手方のヤクザを追い込んだ時に、相手側が最後の手段として代打ちの「赤木しげる」を連れてきます。
赤木は神がかった麻雀の強さで「天」を圧倒。
そしてノリにノってる赤木は使いっぱしりのヤクザに「なんか食うもんねえのか?」と。
夜遅くにお腹が空いてしまった赤木しげるにヤクザが何か食べますか?と尋ねます。
そこで赤木の返答は
「フグ刺しが食べたい」
しかし、夜中の3時に起きている板前はいません。
うろたえるヤクザ。
そこへ赤木がひとこと。
「お前、この世で一番うまい食べ物を知ってるか?」
ヤクザたちは「フグ刺し?」「フォアグラ?」と答えますが
赤木はその返答に呆れ顔
ここから赤木節がスタートします。
麻雀を打つ人間なら知ってるはずだ。
追い込まれた状態で考えに考え抜いて切る牌。
そりゃもう自分の魂を切るように打つ牌があるんだよ。
その魂の乗った牌を和了るのは、
まるで人の心を食らうようだと。
その味に比べたらふぐ刺しなんてゴミ見てえなもんさ。
この世じゃ人の心が一番上手いんだ・・・。
料理だってそうだろう、作り手の心がこもるからうまい・・・。
こんな夜中におれだけのために板前がふぐ刺しを作るから食ってみてえんだよ・・・。
やっとの苦労で用意したふぐ刺しを赤木に差し出すヤクザ。
ところが赤木は一口食べたところで、「もういらねえ。お前ら食べていいぞ」と。
ヤクザは「そりゃないよ」とトホホな感じになります。
クライアントが価値を感じる部分は制作者の心
このやり取りに人の心の美味しさが凝縮されています。
クライアントの感じる満足感についてはデザインにも当てはまります。
誰かが自分のために一生懸命考えてデザインを作ってくれるという前提条件が割と大切で、
作品自体に多くの価値を感じる人は少ないというのが自分の実感です。
もちろん基礎的な技術は必須で、苦労して習得した技術を自分のために使ってもらえるという点も人の心の一部に含まれるのではないでしょうか。
自分で作った料理が美味しいと思えないのも同じです。
ビジネスは、特にサービス業は人の心を売っています。
人の心が商材・技術を生み出し、それにビジネスモデル(生産方法、オペレーション、マーケティングなど)をかけ合わせることで売上が成立します。
人の心がゼロの商品にいくつ掛け算したところで価値はゼロ。
原点として大切なのはクライアントに心がこもってる満足感を感じてもらうことですね。
割と真面目な話でした。
皆さん良いお年を。。
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